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「ムーラン・ルージュのラ・グーリュー」

トゥールーズ・ロートレック (1891年)

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「WebMuseum, Paris」のページにリンクします。

 ロートレックがポスター作家として出発をするきっかけとなった作品です。
 当時としては、本当に斬新な構図で人目をひいたことと思いますが、現在でも十分おしゃれでカッコイイことに驚きます。

 ロートレック自身、浮世絵が好きで蒐集もしていましたが、このポスターの構図や色彩には浮世絵の影響が色濃く出ていると言われています。
 油彩であろうと石版画であろうと、興味が湧けば徹底的に力を尽くしたロートレックらしい素敵な作品です。

 中景で、鮮やかなステップで躍っている女性はラ・グーリュー、前景のシルエットの男性はそのパートナーの「骨なしヴァランタン」と呼ばれたダンサーです。
 ラ・グーリューは「食いしん坊」という意味で、当時「爆弾」と異名をとったほどダイナミックな踊りを毎晩披露し、モンマルトルで一番の人気スターでした。この作品のラ・グーリューは最盛期にあり、生き生きとみごとな姿で描き出されています。その後、零落して哀しい最期を迎えたと言われていますが、そんな影は微塵も感じられません。
 モンマルトルの歓楽街を「わたしの大学」として描き続けたロートレックの透徹した目と、そこで出会った人々への限りない優しさ、思いやりが伝わってくるようです。

★★★★★★★
トゥールーズ・ロートレック美術館蔵



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