作品のモデルは、レンブラントが後半生を共にしたヘンドリッキェであると言われています。さまざまな事情で、世間から白い目で見られながらも、素直にレンブラントに尽くしてくれた女性で、レンブラント自身も安心して彼女の信頼を受け入れていたようです。それは、この作品を見てもわかります。
無邪気に水の中に入ったヘンドリッキェは十分に豊満な女性であるにもかかわらず、少女のようにかわいらしく、温かく、さわやかに表現されていて、今にも顔を上げてこちらに微笑みかけてきそうな感じがします。
画家のやさしい眼差しが、ヘンドリッキェの心の動きまでも見通して、温かく包み込んでいるのがよくわかります。
★★★★★★★
ロンドン、 ナショナルギャラリー蔵