• ごあいさつ
  • What's New
  • 私の好きな絵
  • 私の好きな美術館
  • 全国の美術館への旅

「青いターバンの少女」

ヤン・フェルメール(1660年頃)

ジャンプ

ここをクリックすると、作品のある
「Web Gallery of Art」のページにリンクします。

 フェルメールは、レンブラントとともに17世紀オランダを代表する画家ですが、19世紀後半になってその真の価値があらためて見直され、今もなお多くのファンを魅了しています。そして作家のプルーストをはじめ多くの知識人からも絶大な賛辞を受け、現在にいたっているのです。

 残っているフェルメールの作品は数が少なくてちょっと残念なのですが、ただ一枚として詩的でないものはありません。やさしく純粋な室内画、人物画ばかりですし、一目見てフェルメールの作だとわかるものばかりで、その静かな光を湛えた独特な雰囲気は、フェルメール以外の画家には出せない貴重なものだと思います。フェルメールの手には神が宿っている・・・と本気で信じたくなるほどです。

 そんな彼の作品の中でも特に印象的なこの「青いターバンの少女」は、フェルメールの作品にはめずらしく、はっきりとこちらに視線を向けています。彼は日常生活の中で、きわめて親しい人だけを緻密に描き上げることが多かったので、この少女も若くして死んだ彼の娘ではないかとの説がありました。しかし今では、作品に物語性を与えるためのトローニーだとの説が有力です。

 黒の背景の前にたたずみ、無垢な瞳をほんの少し微笑みながらこちらへ向けて振り返る少女の姿に、フェルメール自身の特別な想いが込められているようです。

★★★★★★★
ハーグ、 マウリッツハイス美術館蔵



page top